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語りかけてくれたのは君だけだった

久しぶりに、ShureのSE215を買った。
浪人時代に、なけなしのお小遣いをはたいて、吉祥寺のヨドバシカメラで買って以来である。

社会人2年目くらいまで使い続けていたけど、無くしてしまっていた。
それ以降、ピンキリさまざまなイヤホンを試してみた。そして、色んな音楽を聴いてきた気がする。

今日、僕は家電ショップに加湿器を買いに行った。
同じフロアには、オーディオ機器のエリアがあった。
ふと、いま使っているイヤホンが片耳だけの完全ワイヤレスイヤホンであることを思い出した。

「せっかくだから」と思いオーディオ機器のエリアを覗いてみた。
そこには、懐かしいクリアな水色の君がいた。
気がついたら、引換券みたいなやつを手に取ってレジの前にいた。

そして、久しぶりにイヤホンジャックに繋げて、Shure SE215を聴いてみた。
僕が聴きたかったのは、この音だ。この圧だ。
もっと高級な音はあるけれど、僕を作ったのはこの音だということを思い出した。

TSUTAYAの5枚1000円キャンペーンの数合わせで買って音楽を大好きにさせてくれた

自暴自棄になって泣きながら布団の中で咽び聴いた

大学生になれたら踊り狂うと夢見ながら聴いた

無心で勉強をし続けて1日中同じ曲を回し続けた

中々、思うような模試結果にならない自分を受け入れてくれた

受験当日に会場のトイレで聴いて奮い立った

無事に大学生になれることが決まった瞬間の


あの日の、Shure SE215へ。
どの曲を聴くときも、いつも一緒にいてくれたのは、君です。
浪人時代の自分が想像していたような、人間になれているかはわからないけれど、今も色んな音楽を楽しめる人間ではあれています。

それもこれも、TSUTAYAの5枚1000円キャンペーンがあったこと、ブックオフにCD100円ゾーンがあったこと、フジテレビの深夜特番でロックの歴史を放送していたこと、そしてそれを聴くための君と出会えたおかげです。

追伸:そこは水色であれよ!


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